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2013年02月06日 水曜日中国事情

中国の旧正月

中国では、新暦の正月よりも旧暦の正月(旧正月)を盛大にお祝いする。
今年は、2月10日(日)が春節(元日)となる。

中国の春節の前後2週間では、帰省に伴い延べ30億人近い壮絶な大移動が始まり、飛行機や列車、長距離バス等の交通機関は大混雑となる。


企業の経営者は休みになる前に社員に手土産 (最近は商品券が増えた) を配るが、特に、工場関係の経営者の中には、出稼ぎの方も含めた地方からきている社員が帰省後に戻ってくるか心配している。
旧正月に帰省した際、地元の友人・知人と様々な情報交換をして、旧正月後は給料の高い会社に無断で転職する人も多いと聞く。


今は現地の責任者に任せているので最近は行っていないが、日本でいう仕事納めをするために出張していた時は、春節の1週間くらい前から街中では爆竹や花火で賑わっていた。
地元の人たちに人気のあるマッサージ店に行った時は、店舗前の道路に並べた10メートルくらいの櫛状に連結された爆竹2本に点火し、一斗缶を二回りくらい大きくした花火を打ち上げていた。

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「繁盛している店だから、花火や爆竹を派手にする!」 と店長は自慢げに言っていたが、これもメンツなのだろうか。
その場の雰囲気もあり、私も興奮して周りにいるお客さんと一緒に歓声を上げて盛り上がっていたが、後から考えると建物にぶつかった花火の火の粉は降ってくるし、もし倒れたら大惨事となるだろう。


現に2年前の瀋陽市内では、五つ星ホテルも隣接している皇朝万鑫国際ビルで爆竹による火災が発生し、建物2棟が燃え、壁面に設置されていた大型モニターが焼失する大きな被害が出ている。


すでに帰省に伴うバス事故で死者も多数でているが、春節の一週間前から「小正月」といって賑やかな旧正月モードとなる中国では、しばし穏やかな旧正月を過ごして欲しいものです。

◆今後の旧正月 : 2014年1月31日 ・ 2015年2月19日 ・ 2016年2月 8日


台湾・韓国・シンガポール・ベトナム・モンゴルでも旧正月を盛大にお祝いしているが、日本の正月も子供の頃の思い出は大イベントだったような気がする。
世界に先駆けた少子高齢化に伴い、日本の文化は時代と共に変わってきているのだろう。